Webメール・サービスなどを手掛けるトランスウエアは6月22日、Webブラウザ「Opera」の国内販売権を不法に取得し損害を与えたとして、ノルウェーのオペラ・ソフトウエアと現在の国内販売元であるライブドアを、東京地方裁判所に提訴した。損害賠償と謝罪広告を求める。

 トランスウエアは、2002年2月にオペラ・ソフトウエアとの間に国内独占販売契約を締結。パッケージ販売に加えて、Webサイトなどを通じたダウンロード販売を展開していた。しかし、2004年5月21日に突如ライブドアがOperaの国内販売を発表。トランスウエアによると、オペラ・ソフトウエアはトランスウエアとの契約を終了しないまま、ライブドアと日本国内の独占販売契約を締結した。

 その上オペラ・ソフトウエアは、トランスウエアに運営を任せていたOpera販売用Webサイトを、ライブドアのWebサイトにリダイレクトするように設定。その結果、トランスウエアは在庫品を販売できなくなった。

 ライブドアが販売を始めた当初から、トランスウエアはオペラ・ソフトウエアとライブドアの販売契約が不当であると主張していた。オペラ・ソフトウエアのヨン・フォン・テツナーCEO(最高経営責任者)は昨年夏、日経コンピュータの取材に対し、「トランスウエアがなぜそのようなコメントを表明したのか、理解に苦しむ」と答え、そもそもトランスウエアの紹介でライブドアと接点を持ち、契約交渉を始めたことを明かしている。

 トランスウエアが求めているのは、損害賠償と謝罪広告。エンドユーザーや、携帯電話などの組み込み機器にOperaを採用しているベンダーへの影響は小さいと見られる。

福田 崇男=日経コンピュータ