企業のセキュリティ強化に向けたサービスを提供するサイバーディフェンスは、Webサイトの改ざん情報の収集やサイバー攻撃に関するコンサルティングなどを手がける国際非営利団体「Zone-H」と提携し、サイバー攻撃に関する教育のサービスを強化する。

 提携サービスの第1弾として、Zone-Hが欧米で実施している教育プログラム「Hands-on Hacking Unlimited」に基づいたサービスを、7月に国内で提供開始する。講師として、Zone-Hの代表であるロベルト・プリオティーニ氏が直々に指導するといった熱の入れようだ。

 Zone-Hは、Webサイトの改ざんや攻撃手法など各国の情報を集め、その分析結果を英語、イタリア語、フランス語、ロシア語の4カ国語に訳してWebサイトで配信している。ハッカーのコミュニティでは有名なWebサイトで、毎日約100カ国の2万5000人以上のユーザーがアクセスするという。

 Hands-on Hacking Unlimitedは、Zone-Hが集めたWebサイト攻略ノウハウをベースに、セキュリティ強化のポイントを学ぶ教育プログラム。講義に加え、「ブラックボックス・ハッキング」と呼ぶ実習を実施する。実習用に構築したサーバーを受講者が実際に攻撃する。受講者は自分で脆弱性を見つけ出し、攻撃するためのツールを用意して、サーバーを攻略する。攻撃を実践することで、セキュリティ対策のノウハウを磨く。

 サイバーディフェンスは、日本国内のWebサイトに対する不正アクセスやDDoS(分散型サービス妨害)攻撃などが増えていることから、国内での教育事業を強化。Zone-Hと提携するなど、海外のセキュリティ専門家やハッカーとの連携を強めている。Hands-on Hacking Unlimitedの第1回の開催日は、7月12日と13日の2日間。受講料は、19万9500円である。

福田 崇男=日経コンピュータ