「セキュリティ製品もネットワーク機器も、1社の製品で固めるのはリスクが大きい」と、米ソニックウォールのダグラス・ブロケット ワールドワイドマーケティング上級副社長は話す。「特定のベンダーの製品ばかりを導入し、もし不具合があればネットワークが全く使えなくなってしまう恐れがあるからだ」。

 同社は4月に社内LAN向けのセキュリティ・ゲートウエイ専用機「SonicWALL PRO 1260」を発売したばかり。ファイアウォール機能やIPS(侵入防御システム)、ウイルス対策機能などを備えるレイヤー2スイッチとして動作する。特徴は、24個備えるLANポートに、それぞれ個別にファイアウォールのルールを設定できること。ネットワーク・セグメントごとに異なるセキュリティ・ポリシーで運用することができる。

 ソニックウォールが従来から力を入れているのはSonicWALL PRO 1260のように、さまざまなセキュリティ機能を一つの機器で提供する「UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)」と呼ばれる分野。この分野は他社も次々と新製品を投入し始めており、競争が激化している。ここへきて、ネットワーク機器最大手であるシスコシステムズも、UTM製品「Cisco ASA 5500」の国内販売を開始した。

 ブロケット上級副社長は、「シスコは確かによい製品も持っているが、性能や使い勝手では弊社製品が勝る」と断言する。さらに「シスコは、コア・ルーターからエッジ・ルーター、スイッチ、無線LANアクセス・ポイントなど、すべてのネットワーク製品にセキュリティ機能を組み込もうとしている。賢明なユーザーは、単一ベンダーの製品ではなく、複数ベンダーの製品を利用したほうが安全だと判断するはず」と続ける。

 SonicWALL PRO 1260の価格は、初年度の保守費込みで33万円から。

(福田 崇男=日経コンピュータ)