CRM(顧客関係管理)システムのASP(アプリケーションの期間貸し)型サービスを提供する米セールスフォース・ドットコムは6月13日、KDDIとの提携を発表した。この提携により、au(KDDI)の携帯電話を利用するユーザーに向けたサービス「salesforce.com Mobile Edition for au」を10月に開始する。モバイル対応は、既存顧客の7割が希望するなどニーズが高い。セールスフォースは、10月の正式サービス開始に先立ち、7月1日に先行ユーザー数社への試験サービスを、8月1日に無料サービスを始める。

 新サービス提供のために、KDDIは携帯電話で稼働するBREWアプリケーション(BREWは携帯電話用のアプリケーション・プラットフォーム)と、コンテンツを携帯電話向けに変換するゲートウエイ・システムを開発。au携帯電話のユーザーは、インターネットなどを介してsalesforce.comサーバーにアクセスし、顧客データなどを携帯電話にダウンロードしたり、携帯電話上で参照・編集できる。紛失時には、サーバー側からのリモート操作で、携帯電話にダウンロードしたデータを消去することも可能だ。利用できるアプリケーションは、当面、顧客情報管理、商談管理、行動予定管理、スケジュール管理など。従来、これらの機能を携帯電話から利用するには、salesforce.comサーバーへのゲートウエイをユーザー側で開発しなければならなかった。新サービスにより、こうした手間をかけずに、追加料金を支払うだけで、携帯電話からCRMサービスを利用できるようになる。

 利用できる携帯電話は、当初はW31KとW31SAの2機種。対応機種は順次広げる考え。salesforce.com Mobile Editionの料金は、1ユーザー当たり月額1575円。ただし、salesforce.comを利用するためのsalesforce.com Professional Editionか、同Enterprise Editionの利用契約を別に結んでおく必要がある。Professional Editionの利用料は1ユーザー当たり月額7875円、Enterprise Editionが月額1万5750円。

河井 保博=日経コンピュータ