テンアートニは7月中旬からオープンソース・ソフトウエア(OSS)のライセンス管理ツール「ProtexIP」の出荷を開始する。ProtexIPは、開発するソフトウエアのソースコードの中に、OSSのソースコードが含まれているかを検出する。ProtexIPを開発した米Black Duck Softwareのダグラス・レヴィンCEO(最高経営責任者)兼社長(写真左)は製品の狙いについて、「OSSを使ってソフトウエア開発をするとき、ライセンス管理ができていないと、製品として売ろうと思ってもソースコードを公開しなければなくなる。こうしたリスクを軽減したい」と語る。

 米国では米SCOグループ、が米IBMをUNIXのライセンス契約に違反しているなどとして提訴したことをきっかけに、OSSを使ってソフトウエアを開発することに対して、ソースコード開示だけでなく、提訴されるリスクを感じる開発者が増えてきているという。加えて、「これまで人手でソースコードを付き合わせるしかライセンス違反かどうかを調べる手段がなかったため、OSSを使った開発にちゅうちょする開発者が多かった」(喜多伸夫テンアートニ社長、写真右)。

 ProtexIPはソフトウエアを開発する企業向けの製品。ProtexIPはLinuxカーネルやApacheソフトウエアなどのOSSのライセンス情報を独自にデータベース化し、開発したソフトウエアのソースコードと照合する。

 データベースで比較した後、問題となったソースコードは、重複するソースコード部分を表示する。2005年6月時点で、508のライセンス情報がデータベースにまとめられている。データベースは週1回更新され、ユーザーはダウンロードして利用する。

 価格は、1~5ユーザーまでが最大25メガ・バイトのソースコードを分析する場合で、1年間で360万円。

岡本 藍=日経コンピュータ