シスコシステムズは、中小企業向けルーターの新製品の国内販売を今年7月に開始する。これまで手薄だった、5~20人程度の企業に向けた製品の強化が狙いだ。ルーター、ファイアウォール、VPNゲートウエイといった機能を1台に搭載。一部の機種には、無線LANアクセス・ポイントや、セキュリティ対策が甘いクライアント・パソコンを自動検出してネットワーク接続を制限する自己防衛型ネットワーク向けの機能「NAC(ネットワーク・アドミッション・コントローラ)」も実装する。

 新製品は、Cisco851、同851W、同871、同871Wの4モデル。Cisco871と851はWANポートを1個、LANポートを4個備える。VPN通信時のスループットは871が30Mビット/秒、851が8Mビット/秒である。Cisco851W、同871W(写真)は、無線LANのアクセス・ポイント機能を追加したモデル。無線LANは、IEEE802.11b/gに対応する。

 871と871WはIPS(侵入防止システム)機能に加え、小規模拠点向け製品である800シリーズとしては初めてNACを標準搭載した。クライアント・パソコンがLANに接続した際に、871(871W)がパソコン上のウイルス対策ソフトと連携してセキュリティ対策状況を調べることができる。最新のパターン・ファイルが適用されていないなど、十分なセキュリティ対策を講じていないと判断したパソコンは、LANに接続させない。これにより、ウイルスがLANに広がってしまう危険を最小限に抑える。

 価格は871が9万円、851が5万5000円。無線LANアクセス・ポイントを備えるモデルは、871Wが12万6000円、851Wが7万4000円である。

福田 崇男=日経コンピュータ