日立ソフトウェアエンジニアリングは5月26日、ベトナムのハノイにオフショア開発センターを開設したと発表した。ベトナム最大のITベンダーである「FPT」グループのシステム・インテグレータ「FPTソフトウェア」の内部に100人規模の専任体制を確保。主にパッケージ・ソフトの開発を委託する。

 開発センター設立の狙いは、「品質や生産性のさらなる向上」(同社)。日立ソフトはこれまでも、FPTソフトにソフト開発を委託していた。今回は、開発パートナの関係からさらに一歩踏み込んで、日立ソフトの社員数人を現地に常駐させ、進捗管理や品質チェックなど、プロジェクトマネジメントのノウハウを持ち込む。

 ベトナムにおけるオフショア開発の最大の魅力は、開発単価の安さ。日本の3分の1以下、中国やインドと比べても3割安いとされる。このため、「中国よりも安価で済み、インドより距離が近く移動時間のロスが少ない」(大手ITベンダーのオフショア開発推進責任者)と、注目を集めている。実際、日立ソフト以外にも、TISや日本IBMがFPTソフトウェアにシステム開発を委託している。

 日立ソフトはベトナムでのオフショア拡大を契機に、昨年度19億円だったオフショア開発全体の発注額を、今年度は50%以上増やし、29億円まで拡大させたい考え。100人体制の開発センターも、さらなる拡大を目指す。

大和田 尚孝=日経コンピュータ