「オラクルとSAPのERPパッケージ(統合業務パッケージ)が混在するようなシステムが、これからの姿だと考える」とSAPジャパンの藤井清孝社長が言えば、日本オラクルの新宅正明社長も、「今後は、SAP、オラクル、そしてピープルソフトを組み合わせて利用するようになるだろう」と応じる――。SOA(サービス指向アーキテクチャ)が普及した未来の姿を論じたものだ。代表的なERPパッケージ・ベンダーであるSAPジャパン、日本オラクルの両社長は、お互いの製品について終始、ライバルではなく共存関係にあると強調した。

 このようなやりとりが5月25日の、パワードコム主催「POWERDCOM FORUM 2005」のパネル・ディスカッション「Future of Network,Future of Software and Future of Japan」で繰り広げられた。パネルとして、SAPジャパンの藤井社長、日本オラクルの新宅社長が参加し、元SAPジャパンの社長であるパワードコムの中根滋社長兼CEO(最高経営責任者)がモデレータを務めた。

 SOAとはシステムをサービスの集合体ととらえる考え方。両者とも、自社のパッケージのモジュールを一つのサービスとして提供することで、他社のパッケージや、手作りのアプリケーションと組み合わせて利用してもらうことを目指している。

 こうした両社のメッセージに対し、パワードコムの中根社長は、「両社が自社のパッケージだけを利用してシステムを作らなくてもよい、というのは歴史的なこと」と評価した。

島田 優子=日経コンピュータ