球形の装置から香りを発生する

 NTTコミュニケーションズは5月23日、インターネットで香りの調合方法を勉強できるeラーニング・サービス「アロマコミュニケーションモニターレッスン」の提供を開始した。特徴は、インターネットを介しているにもかかわらず、実際に“香り”を嗅ぎながら受講できること(写真)。昨年12月から公開実験を行っており、今回、商用化した。

 eラーニングの開始に先立ち、受講者には、「香り発生装置」と「アロマオイル」をあらかじめ送付。アロマオイルをセットした装置をUSBでパソコンに接続してから、受講してもらう。レッスンの進み具合に合わせて香りの調合データを送り、そのデータに基づいて装置から香りが発生する、という仕組みだ。

 利用するアロマオイルは、グレープフルーツ、ゼラニウム、ティーツリー、ペパーミント、ラベンダー、ローズマリーの6種類。アロマオイルに風を吹きつけることで、揮発を促して香りを発生させる。それぞれの香りの発生量を調節してブレンドするために、アロマオイルの容器の上には、開閉度合いを1%刻みで調節可能な電動のスリットを付けている。レッスン時に調合するのとは別に、受講者が専用のパソコン・ソフトを使って調合データをカスタマイズし、オリジナル・ブレンドを作ることも可能だ。eラーニングの内容や調合データは、日本アロマコーディネーター協会の監修を得た。

 香り発生装置を製造するのは、精密機械メーカーのミラプロである。もともと、火薬の匂いを利用した地雷探知装置の開発を進めていたが、競争が厳しくなったために撤退。そこで得たノウハウを基に2年前、香り発生装置の開発を始めたという。

 アロマコミュニケーションモニターレッスンに申し込めるのは、NTTコミュニケーションズのインターネット接続サービス「OCN」のユーザーで、先着100人まで。レッスン・サイトの公開期間は10月31日までである。費用は、香り発生装置、アロマオイルなどがセットで7万3500円(税込み)。今回のレッスンの受講者は、日本アロマコーディネータースクールが全国の教室で開催する資格講座の入学金が3万円割引になる。

本間 純=日経コンピュータ