米IBMは5月19日、中国の大連に600人規模の開発拠点を開設した。システム開発に加え、顧客の業務そのものをITで変革する「BTO(ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング)」の事務作業をこなす拠点とする。中国や日本だけでなく、欧米や韓国など、世界各国の顧客の仕事を手掛ける。

 狙いは、システム開発や事務作業のコスト削減と、中国における事業拡大だ。英語や日本語、韓国語、北京語、広東語といった言語がわかる要員をそろえ、世界中の顧客の仕事を支援する体制を整える。IBMが中国に大規模な開発・事務センターを開くのは、上海と深センに次いで3カ所目。

 今回の拠点新設に先駆け、IBMは2003年に、社内のシステム開発や営業業務にかかわるデータ入力作業を支援する拠点を、大連に開設していた。大連は、北京や上海と並んで、日本向けのオフショア開発が盛んな都市。IT企業の集積地である「大連軟件園(ソフトウェアパーク)」では、230社以上がシステム開発事業を展開している。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)