「ユビキタスを考えたとき富士通がとりわけ注力するのは、安くて速いネットワークと進化する携帯電話を使ったシステムだ」。富士通共通技術本部プロジェクト統括部長の村本重樹氏は,東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催中の「IPテレフォニー&ケータイソリューション2005」の講演でユビキタス環境に対する富士通の取り組みを語った。

 「携帯電話の通信料は10年で4分の1、データの伝送速度は10年で1000倍になっている。これからは携帯電話をはじめとするユビキタス環境をどう使いこなすかに企業の発展はかかっている」(同氏)という。

 村本氏は、具体的に携帯電話を使った活用事例として、携帯電話から報告できる日報システムや、携帯電話を利用した道路パトロール・システムを挙げた。

 日報システムの事例では、「携帯電話で日報を提出できるようにしたら、今まで日報を挙げてくれなかった若い人がこぞって報告するようになった企業もある」という。また、「若い人は携帯電話で文字を打つことにストレスを感じず、携帯電話を使ったシステムには欠かせない存在になる」(同氏)と若い力こそユビキタス環境を整えるのに必要だと述べる。

 最後に村本氏は、「ユビキタス環境は総合技術の結晶であり、さまざまな端末、さまざまなメディア、さまざまなネットワークで構成される。すべての技術を富士通が持っているわけでもなく、持たない技術は他社と組んでユビキタス時代に挑戦したい」と締めくくった。

(安藤 正芳=日経コンピュータ



5月19日~20日、サンシャインシティ文化会館(東京・池袋)で開催(日経BP社主催)。
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