日本オラクルは5月10日、キヤノン販売と共同で中堅・中小企業向けERPパッケージ(統合業務パッケージ)「キヤノン DECISION SUITE」を発表した。6月に出荷開始する。キヤノン販売と日本オラクルが共同で開発した。

 キヤノン DECISION SUITEはオラクルのERPパッケージ「Oracle E-Business Suite(EBS)」をベースに、アドオン・ソフト、サーバー、構築サービスをセットにしたもの。それでいて価格は1900万円台からと安く抑えた。年間サポート費用は販売価格の20%である。

 オラクルはすでに中堅企業向けERPパッケージの短期導入ソリューションとして「Oracle NeO」を販売している。今回提供するキヤノン DECISION SUITEではNeOよりもさらに小規模な企業をターゲットにする。Oracle NeOのターゲットは従業員数500~1000人で売上高が300億~1000億円の中堅企業だが、キヤノン DECISION SUITEでは従業員500人未満で売上高300億円以下の中堅・中小企業の開拓を目指す。

 キヤノン DECISION SUITEは、Oracle EBSを安価に導入したいユーザー企業をターゲットとしたパートナー企業向けの支援プログラム「Oracle EBS Special Edition」に基づいて開発した国内初のケース。今後はキヤノン販売だけでなく、「ほかのベンダーと組んでSCM(サプライチェーン管理)やCRM(顧客関係管理)の分野も提供していく予定」(日本オラクル担当者)。

 日本オラクルの新宅正明代表取締役社長(写真中央)は、「Oracle EBSは、大企業向けのイメージがあり、当社だけで中堅・中小企業向けに売り込むのは難しかった」という。今回キヤノン販売をパートナに選択した理由について新宅社長は「キヤノン販売はすでに全社的にOracle EBSを導入しており、オラクル製品を使ってシステムを構築するノウハウが蓄積されていたため」と説明する。

 また、キヤノン販売は今後、会計・販売管理パッケージだけでなく、生産管理パッケージなど種類を増やしていく予定だ。キヤノン販売は初年度25億円、来年度35億円、再来年度40億円の売り上げを目指す。

安藤 正芳=日経コンピュータ