NECが4月27日に発表した2005年3月期連結決算は、携帯電話の不振と半導体需要の失速により、営業利益が前の期比28%減り、1312億円になった。ITソリューション事業はSI・サービスの収益が回復し、11%増の1023億円の利益を確保した。同日会見した的井保夫・執行役員常務は、「2005年3月期でようやくSI事業のコントロールを取り戻した。今期はプロジェクト・マネジメント力をさらに高めて、収益の柱に育てたい」と語った。

 ITソリューション事業全体の売上高は2%増の2兆1444億円と微増だった。SI・サービスが12%増の8242億円、ソフトが6%伸びて1069億円となったものの、サーバーなど「コンピュータ・プラットフォーム」が8%減の4907億円、パソコンなど「パーソナルソリューション」がほぼ横ばいの7226億円にとどまった。

 SI・サービスの営業利益は約160億円増え、700億円となった。ソフトは横ばいの200億円。コンピュータ・プラットフォームとパーソナルソリューションはそれぞれ前の期の半分に相当する50億円に減った。NECのSI・サービス事業への依存が収益面で顕著になってきた。

 2005年3月期の連結売上高は1%減の4兆8551億円。2006年3月期は3%増の5兆円を見込んでいる。営業利益は14%増の1500億円と予想している。

今井 俊之=日経コンピュータ