看板を掛ける柳沢センター長

 4月22日に設立が発表された内閣官房情報セキュリティセンター(NISC=National Information Secuirty Center)が25日に開設され、正式な活動をはじめた(写真)。

 初代センター長に就任した内閣官房の柳沢協二 安全保障・危機管理担当副長官補は、開設式で職員を前に「ITはすでに国民の生活に大きくかかわる社会基盤になっている。国家レベルの情報セキュリティ対策は、諸外国に比べ、組織的な取り組みがやや遅れていたが、中核機関となる本センターの設置でスタートラインに立った。スタッフ一同、問題意識と使命感を共有して、情報セキュリティの諸問題に取り組んで欲しい」と訓示した。

 NISCは昨年12月7日の高度情報通信ネットワーク戦略本部(IT戦略本部。本部長は総理大臣)決定に基づき、設立が準備されていた。内閣官房情報セキュリティ対策推進室を強化、発展させる形で今回、設置された(関連記事)。山口英・情報セキュリティ補佐官を含む、同推進室のスタッフはそのままNISCで業務を継続する。NISC発足時のスタッフ数は26名だが、夏ごろまでに35名程度まで拡充する予定だ。

 23日午前に起こったトレンドマイクロ事件(関連記事)に関しても早速、原因の究明と、政府機関への影響の両面から情報を収集している。「今のところ、政府機関で使われているパソコンやサーバーで、深刻な被害を受けた報告はない」(同センターの山崎琢矢参事官補佐)という。

山田 剛良=日経コンピュータ