無線IP電話の試作機

 LAN機器ベンダーのプラネックスコミュニケーションズは2005年4月15日、都内で会見を開き、ソフトベンダーや携帯電話ソフトの販売会社など4社を子会社化したと発表した。この席上で、ことし後半に投入予定の無線IP電話端末の試作品を公開した。

 会見の席上、プラネックスの久保田克昭社長は、「グループに技術とソフト開発力が加わったことで、これまでのLAN機器販売に加え、より広い範囲でビジネスを展開できる」と抱負を述べた。具体的な新規事業として、IP電話関連の事業と、携帯電話のメモリー内にある情報を扱うASP事業を挙げた。

 同社の給電機能(PoE=Power over Ethernet)付きLANスイッチは、企業の内線電話をIP電話化する用途で広く使われている。IP電話で使うLANスイッチには、イーサネット・ケーブル経由で電力を供給するためにPoE機能が必要だからだ。

 これに加え、今後はIP電話端末やSIPサーバーなどに、ラインナップを広げる考えだ。無線LANを使うIP電話端末はすでに実際に動作する試作品を開発済み(写真)。試作品は開閉型だが、製品化のときにはストレート型に変更する予定だ。「今年の第3四半期に、2万円を切る価格で発売したい」(同社製品企画担当である小沼卓見取締役)という。また、すでに発売中のビジネス・フォン型のIP電話機も価格を下げた製品を追加する考え。

 主力商品であるPoE対応LANスイッチも小型の製品を追加するなどバリエーションを拡充し、さらに低価格化を進めていく考え。現在は定価ベースで、1ポート当たり7000円弱であるが、これを「今年の年末には4000円くらいまで下げたい」(小沼取締役)という。

山田 剛良=日経コンピュータ