日本ヒューレット・パッカード(HP)は4月14日、代表取締役社長樋口泰行氏が5月31日付で退任すると発表した。日本HP広報は、「退任理由は一身上の都合。その後はダイエーにいくと聞いている」としている。樋口氏は産業再生機構の支援を受けて経営再建中のダイエーの次期社長に就任する。ダイエー広報によると「スポンサーの丸紅、アドバンテッジパートナーズから社長人事の提案をもらっており、明日の取締役会で正式決定する。その後は、5月の定時株主総会で株主に取締役に選任していただいた後、社長に就任する予定」。

 日本HPは既に後任の選定に入っており、新体制をできるだけ早い時期に発表するとしている。樋口氏のダイエー入りは3月末にも話題になったが、その際には日本HPはわざわざ否定のリリースを出していた。

 樋口氏は1957年11月生まれの47歳。大阪大学を卒業後、松下電器産業にエンジニアとして入社。91年にハーバード大学でMBA(経営学修士)を取得。ボストンコンサルティンググループ、アップルコンピュータを経て、97年にその後、HPと合併したコンパックコンピュータ日本法人に入り、2003年から日本HPの代表取締役社長を務めていた。思い切った抜擢人事や組織改正で合併で揺れる社内の体制を立て直し、日本HPの業績を好転させた手腕は、産業界で高く評価されていた。

広岡 延隆=日経コンピュータ