愛知万博(愛・地球博)のパビリオンやイベントの観覧を事前予約するシステムが、サーバーの能力不足で3月26日から停止した。愛知万博協会によると、公式サイトを使った観覧予約システムのサービスを4月1日まで止め、サーバーの負担比率を見直し、回線の能力を増強するほか、プログラムも修正するという。

 愛・地球博はインターネットを使った観覧予約システムを取り入れ、1カ月前からパビリオンの予約が可能になっている。会場までの交通情報や予約状況、当日の混雑状況などを携帯電話で知らせる「サポートナビ」などのサービスも提供、ITを使って来場者の利便性を高めている。

 観覧予約システムは日立製作所が、サポートナビのサーバーシステムはNECが手掛け、全体の取りまとめをKDDIが担当している。観覧予約とサポートナビはシステム連携しており、サポートナビのサーバー側で観覧予約システムの処理を一部負担していた。今回のサーバー障害は、サポートナビのサーバーに負荷かがかかり、観覧予約システムとの連携がうまく機能しなくなったのが原因。3月22日ごろから予約システムにつながりにくくなり、つながっても入場券番号を入れたところで、エラーが表示される状態になった。

 4月1日までに、複数のサーバーで構成しているサポートナビ側から、連携に使うサーバーを独立させることによってシステムの負担比率を見直す。インターネットのアクセス回線も飽和状態になっていたため、回線容量も増強する。この対応のため、サポートナビが3月31日から2日間サービス停止となるほか、携帯WEBサービスも断続的に止まる。

 会場での当日予約システムは順調に稼働しており、事前予約がなくても当日予約は可能だ。ただ、観覧予約システムが26日から止まっているため、システムが再び稼働する4月2日にはゴールデンウイーク分の予約が集中する見通し。ゴールデンウイーク直前も、サポートナビの利用でシステムの負荷が急増する可能性がある。

今井 俊之=日経コンピュータ