サーフコントロール ジャパン リミテッドは、メール・フィルタリング専用機「サーフコントロール リスクフィルタ」の国内販売を開始した。中国と米国のエンジニアが共同で開発した製品である。「中国国内のスパムは検出が難しい。それに打ち勝ってきた製品だ」と、英サーフコントロールのマーク・トゥルーディンガー アジア地区副社長は自信を見せる。

 トゥルーディンガー副社長は、「中国国内の迷惑メール(スパム)は、米国からのスパムとは特徴が異なり、検知が難しい」と分析。「スパムの配信方法が全く異なる。中国のスパムは人海戦術で一斉配信される。人手によるため、同じ内容のスパムは1~2日の短期間しか配信されない。欧米との大きな違いだ」と指摘する。

 例えば、ある日にPCカードを売るためのスパムを送ったら、翌日はハードディスクを宣伝するスパムを送る、といった具合だ。このため、メール本文のパターンを基にスパムを検知する従来型のスパム・フィルタでは検知しにくく、判定精度が上がらない。

 そこでサーフコントロールは、「リスクフィルタに、既存のスパム・フィルタと同様の技術に加え、中国市場で得たさまざまな技術とノウハウを詰め込んだ」(同氏)。さまざまな角度からスパムを検知できる強みを持つ点が買われ、中国では大手ISPによる採用が進んでいるという。トゥルーディンガー副社長は、「当社製品の強みを生かし、スパムに悩まされ始めている日本企業の役に立てる」と強気だ。

福田 崇男=日経コンピュータ