レガシー・システムで稼働するCOBOLアプリケーションの分析や変換のためのツールを提供する米リラティビティテクノロジーズのスティーブ・メイソナーブ社長は「ここ1年で製品の売上が大幅に伸びた。今年はさらに昨年の倍以上を見込んでいる」と抱負を語る。大手銀行など金融業を中心に、全世界で約200社が採用している。

 同社の主力製品は、COBOLやPL/Iで記述したアプリーションを自動分析して可視化したり、自動変換したりするためのソフト群「Relativity Modernization Workbench(RMW)」。最近になって同製品が売れている理由をメイソナーブ社長は「アプリケーションの内容を分かっているプログラマの退職で、メンテナンスが困難になる問題が背景にある」と説明する。メイソナーブ社長は現在59歳であり、「自分がIT業界に入ったのは1968年。メインフレームの技術者が多い世代で、いま退職期にある」という。日本における2007年問題が一足先に訪れている。

 RMWのような製品分野をアプリケーション・モダニゼーション(近代化)、あるいはレガシー・モダニゼーションと呼び、米ASGや英マイクロフォーカスなどが同分野の製品を提供している。また、リラティビティはRMWを米IBMにOEM供給しており、今年の第2四半期にもIBMから出荷される見通しである。RMWの特徴は、「分析や検索の処理が高速なこと。ソースを分析するアルゴリズムの特許を取得している」(メイソナーブ社長)と述べる。

 日本では、シーイーシーが1月にリラティビティと総代理店契約を結んだ。メイソナーブ社長によれば「合併を計画している大手銀行から引き合いがある」という。また、日本政府のレガシー・システムの刷新も販売のターゲットにしている。