「電子メールで個人情報などの機密情報をやり取りすると、盗み見られる恐れがあり、危険だ」と、Faxサーバー・ベンダーである米キャステレのスコット・マクドナルド社長兼CEO(最高経営責任者、写真)は警鐘を鳴らす。「その点ではFaxを利用する方がはるかに安全だ」。

 マクドナルドCEOは米国の現状に触れ、「金融機関や医療機関がメールで個人情報を送る場合は暗号化やログの記録が義務付けられており、負担が大きい。Faxなら送信記録がとれる上に、通信途中で盗み見られる心配もない」と説明する。

 米キャステレは、Faxサーバー専用装置「FaxPress Premier」の国内販売を3月15日に開始する。マクニカネットワークスが取り扱う。ユーザーは、WordやExcelといったオフィス製品や、他のWindowsアプリケーションの印刷先としてFaxPress Premierを指定し、印刷。同時に送信先情報を送ると、FaxPress Premierが送信先にFaxを送る。送信元アプリケーションや送信先、日付、送信内容の表題などを記録に残す。

 「他社製品はソフトウエアがほとんど。FaxPress Premierは専用機なので性能や耐障害性に優れている」と、マクドナルドCEOは自信を見せる。価格は8回線、512ユーザーまでで、315万円から。FAX送受信時の最高通信速度は33.6kビット/秒。電話回線はアナログ回線にのみ対応する。

 またマクニカネットワークスは、WindowsアプリケーションにFaxPress Premierとの連携機能を組み込むためのSDK「FAPI Object Premier」を自社開発し、同時に販売する。価格は35万円。

福田 崇男=日経コンピュータ