インテリシンクは2月15日、携帯電話や携帯情報端末(PDA)、ノート・パソコンといったモバイル機器向け管理ソフト「Intellisync Movile Suite Ver.6.2J(IMS)を出荷した。遠隔操作でモバイル機器をロックする機能を新たに搭載するなど、昨年10月に出荷した前バージョンに比べ、セキュリティ対策機能を強化している。

 IMSは、(1)会社のメール・サーバーに届いた電子メールをモバイル機器で閲覧・編集する「Email Accelerator」、(2)モバイル機器にファイルを転送したり、遠隔から削除する「File Sync」、(3)モバイル機器の利用状況を監視したり、ネットワーク経由でセキュリティ対策を実施できる「System Management」、の3つのモジュールで構成する。前バージョンでは(1)のみの提供だったが、最新版で(2)と(3)が加わった。

 同社が特にアピールする機能が、(3)のセキュリティ対策機能だ。例えば、モバイル機器を紛失した際には、モバイル機器がインターネットに接続した段階で強制的に機器をロックしたり、情報漏洩の危険性があるファイルを自動的に削除することができる。PDAに対しては、工場出荷時の状態にハードウエアを初期化することも可能だ。

 モバイル機器の紛失が原因で情報が漏洩・流出する事件は後を絶たない。かといって、モバイル機器の利用を全面的に停止するのは簡単ではない。外回りが多い営業職場など、モバイル機器が仕事に必要不可欠な業務部門を抱える企業も少なくないからだ。IMSの最新版ではこういった企業を狙う。実際に、インテリシンクの井手龍彦副社長によれば、「特に外資系損保会社など、直行・直帰型のスタイルが確立している企業から、IMSのセキュリティ機能に関する問い合わせが増えている。現在、20数社、合計約1万5000ライセンス分の商談が進行中だ」という。

 価格は前バージョンから約35%値下げし、1ライセンス当たり1万2600円になった。ただし、モジュールごとにライセンス費用がかかる。IMSを利用できるモバイル機器は、Windows 2000以降を搭載したパソコン、Pocket PC2002または2003を搭載したPDA、NTTドコモ/au(KDDI)/ボーダフォン製の携帯電話(一部機種除く)、となる。

(目次 康男=日経コンピュータ)