「ILM(情報ライフサイクル管理)は今後、コンプライアンス(法令順守)がドライバになって、より普及するだろう」。米ストレージ・テクノロジー(ストレージテック)のパット・マーチン会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)はこう語る。ILMは、企業が扱う情報を重要性やアクセス頻度に応じて最適なストレージに格納するという考え方である。

 米国では、金融機関が顧客への電子メールを3年間保存することを義務づけられたり、医療機関が患者のデジタル情報を患者の生存期間中は保存することを義務づけられるなどの行政指導が行われている。こうした長期保存の必要性から、ILMの導入が進んでいる。日本でも、今年4月に施行される個人情報保護法やe-文書法がILM導入のきっかけになると同社は期待している。

 また同氏は、コンプライアンスではストレージのセキュリティも重要であると強調する。格納するデータを暗号化できるストレージ製品は同社には今のところないが、ここ1~2年の間に暗号化機能を組み込んだ製品を出荷する見込みだという。

大森 敏行=日経コンピュータ