BI(ビジネス・インテリジェス)ソフト・ベンダーのSASインスティチュートジャパンは2月3日、「SAS Financial Intelligence」というソフトウエア群の出荷を開始した。SAS Financial Intelligenceを使えば、各種の経営手法を使って企業の経営状態を把握し、その改善を支援することができる。いわゆるCPM(コーポレート・パフォーマンス・マネジメント)に利用する。

 SAS Financial Intelligenceは、(1)事前に設定したKPI(重要業績指標)に合わせて必要なデータを収集する「Strategic Performance Management2.0」、(2)財務諸表とは異なる企業独自の基準で、原価計算ができるようにする「Activity Based Management6.2」、(3)連結での決算書や予算を作成する「Financial Management4.0」、の3製品で主に構成する。

 「お客様の希望があれば、これらの3製品をそれぞれ個別に販売することもある」(SASインスティチュートジャパンのBIP/EPMビジネス開発部の桐井健之統括部長)という。これらの3製品に加え、SAS Financial Intelligenceには、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)やCRM(顧客関係管理)システムを利用した社内の既存システムから財務データを収集するETL(データ抽出・変換・流し込み)ソフトや、結果を表示するためのポータル構築ソフトなども付属する。

 ターゲットとしているユーザーは、「企業のCFO(最高財務責任者)や経理、経営企画部門の担当者」(桐井統括部長)で、価格はそれぞれのモジュールごとに1500万円から。SASインスティチュートジャパンは、2005年度に15社、2億円以上の導入を見込んでいる。

(島田 優子=日経コンピュータ)