ソフト開発ツール大手のボーランドは1月25日、プロジェクト支援ツール「Themis(テーミス、開発コード名)」を新たに投入すると発表した。今年7月までに出荷を開始する。価格は未定。同社の小手川清社長は「より高品質なソフトを開発するためには、開発ツールだけではなくプロジェクトを効率よく運営するツールが必要だと考えた」と新製品投入の理由を説明する。

 Themisは、開発するソフトウエアを一元的に管理するためのツール。ソフトの変更管理、構成管理の機能を持つ。開発ツールも包含しており、モデリング、コーディングなどの作業が可能。同社は現在、こうした個々の開発ツールの機能を別々の製品として出荷している。「Themisという一つのツールとして統合することで利便性を高める。アーキテクトや開発者は日常の作業を進めるだけで、ほぼ自動的に変更管理や構成管理を実施できる」(藤井等マーケティング本部長)。

 同社は将来、「Hyperion(ハイペリオン)」と「Prometheus(プロメテウス)」(いずれも開発コード名)というThemisの上位版に当たる2製品を開発する予定であることも明らかにした。

 Hyperionは、Themisにプロジェクトの状態をリアルタイムで把握するための機能を追加した製品。具体的には、プロジェクト・マネジャ向けのポータル機能や、ソフト開発の工程を管理する機能を備える。運用管理ツールとの連携機能も持つ。

 Prometheusは、Hyperionに複数のプロジェクトを管理するための機能を加えた製品。経営の視点からソフト開発を効率よく実施するために役立てる。どのプロジェクトを優先すべきかを判断するための「プロジェクト・ポートフォリオ管理」機能、人的資源をどのプロジェクトに配分してあるかを把握するための「アロケーション」機能などを備える。

 Prometheusについて藤井マーケティング本部長は「当初想定する販売対象はシステム・インテグレータやユーザー企業のシステム子会社。だが将来的には、複数のシステム開発プロジェクトを同時に並行して実施しているユーザー企業にも売り込みたい」と語った。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ