資産管理ソフトやセキュリティ対策ソフトを手がけるクオリティが、クライアント管理ソフト「QND Plus」の新版を今年4月に投入するのを機に、本格的に海外に進出する。同社が1月21日に開催したパートナ向けの事業戦略発表会で、浦聖治社長が明らかにした。

 QND Plusは、パソコンのハードウエア構成やソフトウエアのバージョンといったインベントリ情報を収集したり、IT資産管理用の台帳を作成する機能を備える資産管理ソフト。新版では、設定画面や管理画面の表記を日本語や英語、中国語に切り替える機能を追加する。この機能を武器に、海外の日系企業を中心に拡販を図る考えだ。

 クオリティは現在、米シアトルと中国の上海に営業拠点を構えている。上海では昨年4月、機能をインベントリ収集に絞り込んで中国語表記にしたQND plusの「特別版」を出荷。日系企業8社に販売した。飯島邦夫マーケティング本部副本部長兼販売促進部長は、「まだ海外での実績は少ない。新版の発売を契機に販売を加速していく」と話す。

 クオリティは米国と中国以外への進出も、もくろむ。「中国や米国での販売が軌道に乗ったら、オーストラリアやシンガポール、ベトナムに拠点を設けてQNDを展開していきたい」と、浦社長は抱負を語る。

栗原 雅=日経コンピュータ