製薬大手のロート製薬が、今年1月から米国でICタグの利用を始めたことが明らかになった。ICタグを採用したのは米国子会社のメンソレータムで、米ウォルマート・ストアーズに納入するメンソレータム商品を梱包したケースやパレットにタグを取り付ける。ウォルマートは1月を期限として、主要取引先に対してICタグの採用を要求している。ロート製薬はそれに応えるためにタグの利用を決めた。

 ロート製薬はICタグの利用に先駆け、ICタグの標準化団体である米EPCグローバルに加入した。ウォルマートの要求に対応するには、それが必要だったからだ。ウォルマートは取引先に対し、ケースやパレットに取り付けるICタグに「EPCマネジャ・ナンバー」と呼ぶ企業識別コードや商品コードを書き込むよう規定している。このEPCマネジャ・ナンバーは、EPCグローバルに加入した企業でないと利用することができない。

 EPCグローバルは昨年5月から加入企業名を非公開とする方針を採っているが、日本のユーザー企業としてソニーや三洋電機といった家電メーカーが知られている。実際にICタグを利用するのは米メンソレータムだが、「EPCグローバルに加入するのは親会社とのルールに従った」(ロート製薬広報調査室)。

松浦 龍夫=日経コンピュータ