「銀行の窓口をはじめ空きスペースが少ない場所でも使えるように、スキャナのサイズを小さくした。本人確認のために免許証のコピーなどをとる際、従来のようにコピーがある場所に行かなくても作業できるため、作業効率が落ちない」。PFUのプロダクト本部イメージビジネス営業統括部第二営業販売推進課の吉尾仁司課長は、1月18日に発売したスキャナ「fi-60F」のメリットをこう強調する。fi-60FはA6サイズで、ハガキほどの大きさだ。

 犯罪防止などの目的で、企業が顧客の免許証の提示を求め、コピーしたりスキャンすることは珍しくない。例えば銀行では、顧客が高額の預金を引き出す場合に、本人確認のために免許証の提示を求める。レンタカー業者や携帯電話販売業者も同様だ。

 ただし、本人確認作業の時間をかければ、それだけ顧客を待たせることになる。吉尾課長は、「確認作業の時間をできる限り短くする目的でスキャナを導入してもらえるのではないか」と期待を寄せる。「顧客の目の前で即座に顧客の記録をとることができるため、安心感を生む効果もある」と続ける。

 読み取り速度はモノクロで1秒。カラーで1.3秒。パソコンにはUSBポートを使って接続する。価格は4万3800円。金融機関やレンタカー業者、携帯電話の販売業者に売り込んでいく。今後1年間で、3万5000台の販売を見込む。

松浦 龍夫=日経コンピュータ