NECは12月20日、システム運用業務を体系化したITIL(ITインフラストラクチャライブラリ)の導入支援サービス「ITILビジネススィート」の提供を開始した。同社は2002年から社内システムへのITIL導入を進めており、その過程で得たノウハウをソリューション・サービスとして外販する。

 ITILビジネススィートは、(1)導入前の簡易診断の「ITIL診断サービス」、(2)現状調査や導入計画の立案を約4カ月かけて実施する「運用プロセス設計サービス」、(3)ITIL準拠の運用管理体制を整備する「運用システム構築サービス」、(4)ITIL準拠の運用管理を代行するアウトソーシング・サービス、の4つのメニューからなる。サービスの費用は(1)の診断サービスが80万円から、(2)の運用プロセス設計が1500万円から。(3)の運用システム構築と(4)のアウトソーシング・サービスは個別応談となる。このほかに、ITILの研修サービスなども提供する。

 サービス提供の背景には、ITIL導入機運の高まりがある。「2005年末までにITILが国際規格になることは確実。ITILの知名度はまだ高くないが、来年後半には一気にブレイクし、導入する企業は続出する」と、塩川正二マーケティング推進本部長(写真)は断言する。ITILに基づいて運用プロセスの品質を審査する英国基準認証「BS15000」は、「ISO20000」として国際規格化する動きがあり、現在、国際投票を実施している最中だ。

 ITILビジネススィートの提供に併せ、NECはITIL認定資格「ITIL Foudation」の取得をエンジニアに推進。2005年3月末までに650人体制にする計画だ。2005年末までに約300社に同サービスを提供し、提供診断サービスで初年度約4億円、運用プロセス設計と運用システム構築サービスで同約20~30億円の売り上げを見込んでいる。

(目次 康男=日経コンピュータ)