みずほ銀行は12月20日、旧第一勧銀と旧富士銀の2系統に分かれていた勘定系システムを完全に一本化した。2002年4月のシステム・トラブルから2年9カ月。総費用4000億円以上とも言われるシステム統合プロジェクトは、ようやく幕を閉じた。

 勘定系システムの一本化は、IBM製メインフレームで動く旧富士銀の勘定系を、富士通製メインフレームを使った旧第一勧銀の勘定系に片寄せする方式で実施した。これに伴い、旧富士銀の勘定系につながっていた約240店のシステムを、旧第一勧銀の勘定系につなぎかえる移行作業を、今年7月17日から8回にわたり慎重に作業してきた。12月18日土曜日から20日月曜日の早朝にかけて、最後に残った18店舗の移行を終えた。

 勘定系システムの一本化に先立ち、対外系や情報系などの各システムはすべて統合を完了している。最後に残った最難関の勘定系を一つにできたことで、ようやく新商品の開発に専念できる体制が整った。これまでシステム統合に手間を取られて他行に遅れがちだった分、今後は収益強化につながる攻めの新システム開発を加速していく。

大和田 尚孝=日経コンピュータ