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シーベルのロドウィック氏 「当社はいまだにCRM(顧客関係管理)ベンダーというイメージが強い。だが、当社が目指すのは、エンドユーザーの業務支援に焦点を当てた『フロント・オフィス・アプリケーション』のベンダー。実際、手がけているのはCRM製品にとどまらない」。米シーベル・システムズでマーケティング・アナリティクス担当バイス・プレジデントを務めるポール・ロドウィック氏(写真)はこう説明する。

 シーベルがいま力を注いでいるのは、BI(ビジネス・インテリジェンス)分野。「BIは、フロント・オフィス業務の中でも、顧客からの要請が特に強い。いまや当社のBIソフトである『Siebel Analytics』の売り上げは、ライセンス総収入の25%を占めており、一番の成長分野となっている」と、ロドウィック氏は話す。Siebel Analyticsの最新版は7.7版で、日本では今年5月20日に出荷を開始した。

 同社はよりBIビジネスを拡大するために、「Siebel Enterprise Analytics Applications」と呼ぶ製品コンセプトを10月に打ち出した。(1)CRM分野の顧客分析、(2)財務分析、(3)社員のパフォーマンス分析、(4)サプライチェーン分析を対象に、Siebel Analyticsや分析を支援するテンプレート(指標)を提供するもの。社員の役割によって表示する情報を変えることが可能なダッシュボードも備える。「これまでのBIはデータ分析の専門家しか利用できなかった。Siebel Enterprise Analytics Applicationsにより、より多くの社員がBIを使えるようになるし、導入も容易になる」とロドウィック氏はいう。

 ロドウィック氏は日本でのビジネスについて、「当社は5月にCEO(最高経営責任者)が変わり、アジア地域により力を入れる方針を採っている。日本にもこれから積極的に投資していく」と話す。ただし、Siebel Enterprise Analytics Applicationsを日本でいつ開始するかは未定である。

島田 優子=日経コンピュータ