セキュリティ対策ソフト・ベンダーのニーモニックセキュリティは12月16日、認証/暗号化ソフト「クリプトニーモFSN」の販売を開始した。クリプトニーモFSNは、同社製の認証ソフト「ニーモニックガード」とファイル暗号化/復号化ソフト「クリプトニーモ」を統合した製品である。

 最大の特徴はその認証方法。まず64個の写真や絵などの画像を登録し、その中からパスワードとする画像を最大14個設定する。ログイン時には64個(8行8列)の画像が表示されるので、パスワードとして設定した画像をすべてクリックする。指定の画像を間違いなくクリックすれば、正しいパスワードを入力したとみなし、ログインを許可する。クリックする順番を指定することもできる。

 孫の写真や若い頃の自分の写真などを認証用の画像として使うことも可能。日常生活や自分の思い出に即した写真を使うことでパスワード忘れを防げる。メモを残す必要がないため、パスワード盗難の危険性が減少する。

 國米(こくまい)仁代表取締役は「64個の中から14個を順番に選ぶ場合は、80ビットの暗号化方式を使う以上のセキュリティ強度がある」という。14個選択するのは面倒な場合は、暗号強度は下がるものの選択する画像の数を減らせる。

 サーバー・ソフトとクライアント・ソフトで構成し、クライアント・ソフトがユーザー認証とファイルの暗号化を行い、サーバー・ソフトはユーザーIDや権限を管理する。國米代表取締役は、「権限の設定次第では、社員が暗号化したファイルは上司である課長が復号できるようにするといった使い方が可能」という。

 クライアントの動作OSはWindows2000/XP。価格は50ユーザーの場合で1ユーザー当たり1万8000円という。

鈴木 孝知=日経コンピュータ