NTTコミュニケーションズ、NEC、シャープの3社は12月6日、携帯情報端末「ザウルス」と公衆無線LANサービス「ホットスポット」を組み合わせた、企業向けモバイル通信システムを発売する。相手の居場所や作業状況といった「プレゼンス」を把握し、チャットやIP電話で連絡を取り合える。

 VGA(640×480画素)、4インチ型液晶画面を持つ「ザウルス SL-6000L」に、NECが開発した通信ソフトを搭載した。あらかじめ登録したユーザーについて、「本社で会議中」、「福岡支店に移動中」などとプレゼンスを一覧表示する。音声通話しながら、Webサイトを参照したりファイルを送受信することも可能だ。ザウルス本体にVPNソフトを搭載しており、音声や文字などのデータは暗号化してやりとりする。

 現段階では、ユーザーが自分のプレゼンスを画面上のメニューから選択して更新する必要がある。将来は、NTTコムが運用する公衆無線LANの基地局から、ユーザーの位置情報を自動的に取得することも検討している。初期導入費は、端末代と初年度のサービス利用料、通信費などを合わせて20万円前後。以後、毎年「通信費込みで初年度の半額以下」(NEC)の利用料が必要になる。

本間 純=日経コンピュータ