ITベンチャーのデジベリーは11月24日、クライアント・パソコンのアプリケーション利用やデータ保存などの操作状況を監視、履歴を分析するソフト「Track4Win(トラックフォーウィン) 2.2」の販売を開始した。同一LANに接続しているパソコンだけでなく、企業のIPネットワークに接続しているパソコンの操作ログを一元的に監視・管理できる。ただし、キーボード入力を収集するソフトではない。

 この製品の最大の売りは低価格であること。100台のパソコンを監視する場合、ソフトの購入費用は1台当たり約2500円で済む。通常のクライアント操作監視ソフトは1台当たり1万円くらいする製品がほとんど。それに加えて、管理・分析ソフトが100万円以上する製品もある。

 Track4Winの価格体系は他社製品と同様で、管理ソフトに当たるスタータ・キットと、監視対象となるパソコン台数分のライセンス費用が必要。ただし、スタータ・キットの価格は3500円。監視対象となるパソコンのライセンス費用は10台の場合で4万9000円から、100台の場合で24万7000円からと安価な価格設定になっている。

 この製品が持つ機能は、リアルタイムで各パソコンの利用状況を監視する機能と、収集した操作履歴を使って統計分析する機能の大きく二つに分かれる。リアルタイム監視機能は、ユーザーが現在どのアプリケーションを使っているか、どのWebサイトにアクセスしているかといった情報をリアルタイムで監視することが可能だ。

 同社の大池源之事業開発マネージャーは、「不審な操作をしているパソコンを見つけた場合は、そのパソコンのスクリーン・ショットを取得して、実際の操作画面を見ることができる」という。

 操作履歴を分析する場合には、アプリケーションの利用時間や、総利用時間に占める割合をユーザーごとに円グラフや棒グラフにして提示する。1日、1週間など任意の期間で、どのアプリケーションを多く使っているかを把握することが可能だ(写真)。

 また、アプリケーションごとに、どのユーザーがたくさん利用しているかといったデータを抽出できる。日にちや時刻ごとに、アプリケーション利用状況の推移を見ることができるので、通常の業務時間とは異なる深夜などに業務アプリケーションを操作していたり、業務時間中にインターネットばかりしているといったことを監視できる。

 ノート・パソコンのようにモバイルで利用する場合は、社内ネットワークに接続したタイミングで操作履歴のデータをまとめて管理サーバーに送出する。監視対象となるパソコンのOSはWindows95/98/ME/NT/2000/XP。Track4Winは操作監視機能に特化しており、インベントリ(資産)管理機能などを持たない。
 

鈴木 孝知=日経コンピュータ