住商情報システムは11月17日、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)の新製品「ProActive E2」を来年1月から出荷すると発表した。同社が従来から販売しているERPパッケージ「ProActive」をWebアプリケーションとして作り直し、様々な機能を強化した。

 同社のエンタープライズ・ソリューション事業部長の杉橋剛取締役は、「従来のProActiveは年商1000億円前後の中堅中小企業向けだが、ProActive E2はより大規模の企業を狙う」と説明する。SAPジャパンの「mySAP All-in-One」や日本オラクル「Oracle NeO」といった、外資系ERPパッケージ・ベンダーの中堅企業向けの製品と真正面から競合する。

 ProActive E2の特徴は一般会計や管理会計といったERPパッケージのモジュールを、すべてJavaコンポーネントで開発したこと。さらにモジュールの機能を細分化し、コンポーネントとして提供することで、再利用性や柔軟性を高め、ERPパッケージに付き物のカスタマイズやアドオン・ソフトといった開発作業を軽減させる。

 ProActive E2は住商情報システムが開発標準として利用しているJavaフレームワーク「SMARTフレームワーク」と統合開発環境の「SMART-IDE」を含む。SMART-IDEはフィット・アンド・ギャップ分析用のツールやテスト支援用ツールで構成する。ユーザー・インタフェースはWeb言語「Curl」を利用したリッチ・クライアントを採用した。従来のProActiveはクライアント・サーバー型のアプリケーションだった。

 ProActive E2は本来、今年5月に出荷予定だった。しかし開発途中で利用するフレームワークを変更したため出荷が延びた。杉橋取締役は、「ProActiveE2は満を持して投入する自信作。ProActiveで培った業務のノウハウなどを詰め込んでおり、技術的にも優れている。現在、停滞気味の中堅ERPパッケージ市場を再び活性化させるだけの製品だ」と強調する。

 住商情報システムは、まず来年1月4日から一般会計、管理会計、債権管理など会計系の6モジュールを出荷し、その後、順次モジュールを追加する予定だ。同社は、「2005年度で450社の導入を目指す」としている。