「当社の製品を長年、売ってくれているバーテックス リンクには感謝している」。米セキュアコンピューティングのティム・マクグーラン社長兼COOは、同社のURLフィルタリング・ソフト「SmartFilter」の日本の販売代理店であるバーテックス リンクを高く評価する。「当社はパートナーとの信頼関係を何より重視している」(マクグーラン社長)。

 SmartFilterは、URLフィルタリングの分野でメジャーな製品の一つ。UNIX系のプラットフォームで動作し、大規模ユーザーに強い。バーテックス リンクの木佐谷康社長は「エンド・ユーザーの数では日本でトップだろう」と語る。

 マクグーラン社長はSmartFilterの優位性を4点挙げる。まずパフォーマンス。キャッシュ・アプライアンスやプロキシ・サーバーで動作させても、パフォーマンスの低下は1~2%に収まるという。次がURLリストのクオリティ。同社は昨年、同業他社である米N2H2を買収しており、「ナンバー1の当社のリストとナンバー2のN2H2のリストを合わせることでさらに充実した」(マクグーラン社長)。6カ月前にはバーテックス リンクからもリストを購入した。3番目がさまざまなプラットフォームで動作する点。地域的に離れた拠点を持つ大規模ユーザーのシステムでは、さまざまなプラットフォームが混在する。SmartFilterはこうした混在環境で動作することから、米国の大企業であるフォーチュン500社の40%がSmartFilterを導入しているという。

 そしてマクグーラン社長は4番目に「代理店との信頼関係」を挙げた。「ソフト・ベンダーは、ビジネスが軌道に乗ると、往々にして代理店を通さずユーザーと直接取り引きしようとする。そうして代理店との関係を壊してしまう」。同氏は名指しこそしなかったものの、これが米ウェブセンスとアルプス システム インテグレーション(ALSI)を指しているのは明らかだ。

 ウェブセンスのURLフィルタリング・ソフト「Websense」は、日本ではもともとALSIが販売していた。ところが、ウェブセンスは2001年にALSIとの提携を解消して日本に進出。ALSIは独自にURLフィルタリング・ソフト「InterSafe」を開発したという経緯がある。

 なお、セキュアコンピューティングには「Sidewinder G2」というファイアウォール製品もある。セキュリティが高いのが特徴で、米国空軍や日本政府などが採用している。ワンタイム・パスワード製品「SafeWord」は、日本では個人情報保護法の需要に期待しているという。

大森 敏行=日経コンピュータ