宿泊予約サイト最大手の楽天トラベルは、Webサービスで加盟ホテルの予約システムと接続し、空室情報や予約情報をやりとりするソフトを開発した。すでに「楽天トラベル フロントシステムSDK」の仮称で、一部の加盟ホテルに提供を開始している。

 楽天トラベル フロントシステムSDKは、各ホテルの予約システムに組み込んで使う。XMLとSOAPを使い、各ホテルの空室情報をリアルタイムに楽天トラベルのデータベースに反映する役割を果たす。

 従来、ホテルの予約担当者は、一日に何度も自社のシステムの画面で空室状況を確認し、手作業で楽天トラベルの管理画面に部屋数を入力する必要があった。また楽天トラベルでの予約情報は電子メールまたはファクシミリでホテル側に通知していた。

 今回のSDKを使うと、ホテルの担当者が2つの画面を見比べながら入力する作業が不要になるほか、予約が自社のデータベースにリアルタイムに反映されるようになる。「ホテルの空室の2割を楽天トラベルに自動的に割り当てる」といった設定も可能で、省力化と空室ロスの減少につながる。日本旅行業協会とXMLコンソーシアムが策定作業を進めている「Travel XML」は採用せず、独自仕様とした。

 三重県を中心に42のホテルを運営するグリーンズは、10月からこのソフトを使い、傘下の11ホテルの予約システムと楽天トラベルを接続した。約半年間かけて残りのホテルの予約システムにも導入する予定だ。楽天トラベルはこのソフトを、来年から他の加盟ホテルにも提供していく。

本間 純=日経コンピュータ