ファイアウォール専用機ベンダーの米ソニックウォールは、スイッチにファイアウォール機能やウイルス対策機能を搭載した新製品「SonicWALL PRO 1260」を来年3月までに発売する。「これからはインターネットの入り口におけるセキュリティ対策だけではだめ。社内LANに設置したルーターやスイッチ、クライアント・パソコンも含めたマルチレイヤーでの対策が必要だ」と米ソニックウォールのスコット・ルークス製品担当マネジャーは強調する。

 同社はこれまで、インターネット向けファイアウォール/ウイルス対策ゲートウエイ製品を提供してきた。ルークス製品担当マネジャーは「中小企業向けの製品では、ソニックウォールのシェアが一番大きい」と説明する。

 ただ最近は、ウイルスはインターネットからだけではなく、VPN(実質的な専用線網)や社内ネットワークから広まるケースが増えてきた。そこで、「クライアント・パソコンやスイッチなど、ネットワークの複数個所でセキュリティ対策が必要」(ルークス製品担当マネジャー)と考え、今年3月に、インターネットVPNで社内LANに接続するクライアント向けソフト「SonicWALL グローバル・セキュリティ・クライアント」を発売した。古いパターン・ファイルを用いているクライアントやパッチ未適用のクライアントが社内LAN接続できないように制御可能になった。

 次に社内におけるウイルスのまん延を防ぐ手だてとして発売するのが、SonicWALL PRO 1260である。24の通信ポートを持つスイッチとして動作。ファイアウォール機能やIPS(侵入防御システム)も搭載する。これにより、ウイルスや不正アクセスの被害を局所化し、社内ネットワークへの被害を最小限に抑えることができる。

 さらに、URLフィルタリング専用機「SonicWALL 2100 CF」も、来年3月までに提供する予定。ファイアウォールの手前に設置し、従業員のWebアクセスを制限する。両製品とも価格は未定である。

福田 崇男=日経コンピュータ