日立製作所は10月29日、2004年度中間期の連結決算を発表した。売上高で前年同期比7%増の4兆3299億万円、営業利益は同529%増の1273億万円となった。情報通信システム関連事業の収益は、売上高で前年同期比2%増の1兆717億円、営業利益で同436%増の289億円を占める。

 情報通信システム事業の業績を支えたのは、ソフト/サービス面でアウトソーシング事業やJP1などのミドルウエアの販売が順調に推移したことに加え、ハード面でハードディスクの収益が伸長したり、新札対応のATM(現金自動預払機)関連システムの需要が堅調だったことなどによる。

 ただし、同社の情報通信システム事業の業績は盤石とはいえない。メインフレームとUNIX機を中心とするサーバーの売上高は前年同期比30%減の471億円、パソコン関連も同7%減の621億円にとどまった。減収の原因は、価格競争の激化と価格帯性能比の向上が同時に進んでいること。ハードだけでなく、ソフト/サービス事業においても、開発単価の下落は続いている。

 同社の2004年度通期の見込みも、こうした価格下落を見込んだものになっている。全社の連結売上高は3%増の8兆9000億円、営業利益は62%増の3000億円としているが、情報通信システム事業に限れば、営業利益では前年同期比42%増の990億円を見込むものの、売上高は微減の2兆3050億円としている。

(中村 建助=日経コンピュータ)