インターネット セキュリティ システムズ(ISS)は12月に、新しいセキュリティ管理代行サービス「マネージド プロテクション サービス for SMB」を開始する。ネットワークに対する不正侵入の監視や防御、ウイルスの検知と除去、スパム・メールの排除といったセキュリティ対策を自動で行う。ISSは従来もセキュリティ管理代行サービスを提供していたが、不正侵入の監視に限定していた。

 マネージド プロテクション サービス for SMBでは、ISSのセキュリティ専用機「Proventia M」を顧客企業に設置し、ISSの監視センターから遠隔で監視する。監視対象であるネットワークで不正侵入を検知すると、セキュリティ専用機が防御する。ISSの監視センターは、不正侵入を検知するためのパターン・ファイルの更新といったセキュリティ専用機の管理も担当する。

 万が一、不正侵入によって顧客企業のネットワークに被害が出た場合は、復旧手順などのアドバイスを顧客企業の担当者に提供する。パターン・ファイルに登録してある攻撃を防ぎきれなかった場合は、月額料金を返金するSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を顧客企業と締結する。

 ISSの林界宏社長は、「当社のサービスを利用することで、顧客企業は手間のかかるセキュリティ監視作業を担当する要員の配置が不要になる。大企業の事業所や拠点のセキュリティ管理を手軽にできるように、料金を低く抑えた」と説明する。ユーザー数が5~50人のネットワークを監視する場合、サービス料金は月額4万円で、初期費用としてProventia Mの導入などがおよそ50万円かかる。同サービスは、5人から500人までのユーザーが利用するネットワークを監視対象としており、Proventiaを顧客企業に3年間レンタルする制度の導入も検討している。

 ISSは新サービスによって、Proventiaの販売を年間100台増やすことにつなげていく。同時に、機器販売・保守以外のサービス事業の拡充を狙う。これまで、同社のサービス事業はセキュリティ関連コンサルティングが中心だったが、現在は縮小傾向にある。一方で、ネットワーク監視サービスは、売上高が前年比8割増と調子がよい。今回、監視サービスを強化したことで、サービス事業の総売上の底上げを目指す。

西村 崇=日経コンピュータ