マイクロソフトのローディング社長(左)と
広島大学の牟田学長(右)

 広島大学マイクロソフトは10月13日、両者が協力してアクセシビリティに取り組むことで合意した。広島大学の牟田泰三学長は「今回の提携で、お年寄りや障害者が対等に学べる環境の提供などアクセシビリティ分野をさらに強化したい」と語る。

 広島大学はこれまでも全学的に障害者支援を重視してきた経緯がある。Webサイトのアクセシビリティ向上や、障害がある学生に対する就学支援、障害者支援機器の開発などを手がけている。今後は、障害者向けにパソコン操作などを指導する「アクセシビリティリーダー」と呼ぶ人材を育成する計画だ。この計画の一環として、マイクロソフトの協力を得て教育プログラムを開発する。
 
 広島大学はマイクロソフト製ソフトウエア製品のアクセシビリティ向上に協力する。学内にあるボランティア活動室で、障害のある学生にテストしてもらう方法を考えている。対象には、次期OS「Longhorn(コードネーム)」に実装する予定のアクセシビリティAPIなどが含まれる見込みである。

 併せて広島大学とマイクロソフトはセキュリティ分野でも提携した。広島大学はマイクロソフトのトレーニング・プログラム「MCAセキュリティ」に基づいた教育を来年4月から実施する。授業は1コースあたり最大30時間程度を予定している。アクセシビリティと同様、セキュリティについても指導者の育成を図る。

本間 純=日経コンピュータ