サイベースは11月から、同社のデータベース・ソフト「Sybase Adaptive Server Enterprise (ASE) 12.5.2 日本語版」のうち、小規模データベース向けの「Express Edition for Linux」を無償提供する。ASE 12.5.2 日本語版は9月27日に出荷を開始したばかりの新製品。Express Edition for Linuxは試用版ではなく、社内システムや商用のパッケージ・ソフトにも使える。

 Express Edition for Linuxが利用できるのは、プロセサが一つでメモリーが最大2Gバイトのサーバーに限られる。OSはLinux、データベースの容量は最大5Gバイトとなっている。有償ながら、サポート・サービスも提供する。

 英語版はすでに米本社のWebサイトからダウンロード可能。サイベースはまず今月中に日本語の製品マニュアルや導入ガイドなどを作成した上で、日本法人のWebサイトから英語版をダウンロードできるようにする。

 麻生洋マーケティング&ビジネスアライアンス本部長は、「当社のデータベース・ソフトを使うパッケージ・ソフト、そしてユーザーを増やす。無償にすることで、パッケージ・ベンダーやユーザーが採用しやすくなる」という。将来的には有償のライセンスに移行してもらおうという目論見だ。

 同様の取り組みとして、マイクロソフトが「SQL Server 2005」の簡易版「Express Edition」のベータ版を無償で配布している。正式な製品になっても無償で提供する予定で、中堅・中小企業向けデータベース・ソフト市場での競争は激化するばかりだ。

(鈴木 孝知=日経コンピュータ)