SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)用スイッチ大手の米マクデータは10月4日、異機種、異ベンダーのストレージ機器同士やSAN同士を接続するSAN用ルーター「Eclipse 2640」の販売を開始した。システムや拠点ごとにバラバラに構築されていた複数のSANを接続して、一元管理できるようにする。ディザスタ・リカバリ(災害復旧策)として遠隔拠点へのバックアップも実現できる。

 SAN用ルーター分野は、SAN用の通信機器で競合する米ブロケード コミュニケーションズ システムズや米シスコシステムズなども力を入れている。マクデータは、昨年9月に買収した米ニシャン・システムズの技術を使ってEclipseを開発した。

 Eclipseの特徴は、遠隔地にあるSAN同士をつなぐ機能を搭載したこと。データ圧縮機能やデータを書き込み速度を上げる機能、IPネットワークに接続できる機能などを備える。ピーター・ドーハティー スイッチプラットフォーム担当副社長(写真)は、「ディザスタ・リカバリとして、ネットワークを使って遠隔地の拠点にデータをバックアップするといった用途にも活用できる」という。

 Eclipse 2640は、通信速度が2Gビット/秒のファイバ・チャネル、もしくはギガビット・イーサネットのどちらかが使えるポートを12基、ギガビット・イーサネットだけを接続できるポートを4基備える。参考価格は、「すべての機能を搭載した場合で10万ドル」(ドーハティー副社長)。今年中に出荷する。

(鈴木 孝知=日経コンピュータ)