NECは、企業向けの「個人情報保護ソリューション」を10月4日に開始する。NECソフト、NECシステムテクノロジーなどのグループ会社と連携し、約3000人の要員を投入する。執行役員の伊久美功一常務は「2006年度には国内セキュリティ市場の4分の1に当たる400億円を売り上げる」と意気込む。同時に、情報漏洩対策ソフト「InfoCage」の販売も開始する。

 個人情報保護ソリューションは、コンサルティング、システム構築、運用の三つのサービスで構成する。コンサルティング・サービスでは、NECが社内の個人情報保護法対策で培ったノウハウを提供。弁護士による法律相談サービスも提供する。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークの認定取得を支援するメニューもある。

 システムを構築する際は、NECのクライアント管理システム「CapSuite」や、新たに発売するInfoCageを利用する。CapSuiteは、クライアント・パソコンのパッチやウイルス対策ソフトのパターン・ファイルの適用状況を調べ、最新の状態に強制的に更新。ウイルスや不正プログラムによる情報漏洩を防ぐ。

 新たに販売を開始するInfoCageは、ノート・パソコンのデータを暗号化する機能のほか、ファイルのコピーや印刷をユーザーごとに制御する機能や、ユーザーによるデータの操作履歴を記録する機能を備える。「毎日のように個人情報の持ち出しや、パソコン盗難などの事件が報道されているが、大半は、InfoCageを導入すれば防げたはず」と、米田潔ユビキタスソフトウェア事業部技術主幹は自信を見せる。

 さらにシステム構築の一貫として、物理的なセキュリティ対策もメニューとして用意。入退室管理システムである「SAFEWARE-iX」や、重要なサーバーを保管するラックを監視して盗難を防ぐ「IP錠システム」を提供する。

 運用サービスは、システムのアウトソーシングのほか、個人情報保護の教育支援、事故発生時の緊急対応支援などを提供する。

(福田 崇男=日経コンピュータ)