シマンテックは9月16日、個人ユーザー向けのセキュリティ対策ソフトの新版「ノートン2005シリーズ」を発表した。特徴は、個人情報を盗み出すフィッシング・メールを検出して排除する機能を加えたこと。米シマンテックのマシュー・モイナハン コンシューマプロダクト アンド ソリューション担当副社長は、「日本の個人ユーザーのうち50~60%がフィッシング・メールを受け取っている。米国では80%にもなる」とフィッシング対策の重要性を強調する。

 フィッシング対策機能が加わったのは、同シリーズ中のスパム・メール対策用ソフト「ノートン・アンチスパム 2005」。文章中にフィッシング用のWebサイトと疑われるURLが書いてあるメールや、HTMLメールなどを検出することが可能になった。

 シマンテックの田上利博コンシューマ・マーケティング部プロダクトマーケティングマネージャは、「フィッシングの典型的な手口として、一見すると大手企業のドメイン名が入ったURLを表示して、リンク先でURLを変換してフィッシング用のWebサイトに誘導する方法がある。このような変換されるURLを“怪しい”と判断する」と説明する。

 同社はセキュリティ対策の強化ポイントとして、個人情報保護機能を前面に出す。モイナハン副社長は、「2003年下半期にあったウイルスによる攻撃のうち、78%が個人情報を狙ったものだった」と言う。

 ノートン2005シリーズは「ノートン・アンチスパム 2005」のほか、ウイルス対策ソフト「ノートン・アンチウイルス 2005」、ファイアウォール・ソフト「ノートン・パーソナルファイアウォール 2005」、およびこの3ソフトを統合した「ノートン・インターネットセキュリティ 2005」で構成する。出荷開始はアンチウイルス、ファイアウォール、インターネットセキュリティが10月15日、アンチスパムが12月である。

 各ソフトともWindows98/Me/2000/XPで動作する。9月2日に正式リリースされたWindowsXP SP2でも動く。価格は、アンチウイルスが7140円(税込み、以下同)、ファイアウォールが7140円、アンチスパムが6090円、インターネットセキュリティが10290円

 シマンテックは併せて、システム運用ソフト4種類を発表した。パソコンを特定時点の状態に戻すためのソフト「ノートン・ゴーバック 4.0」、パソコンのデータや設定を丸ごとコピーしておける「ノートン・ゴースト 9.0」、アンチウイルス 2005やゴーバック 4.0などを統合した「ノートン・システムワークス 2005」、それにゴースト9.0を加えた「ノートン・システムワークス 2005 プレミア」である。こちらの出荷開始はゴーストとシステムワークスが10月15日、ゴーバックとシステムワークス プレミアが12月。

 ゴーバックの新たな機能として、パソコンにソフトをインストールする際に不具合がでないかどうか事前に試せる機能が加わった。ゴーストは差分バックアップやスケジュールによる自動バックアップが可能になった。価格はゴーバックが10290円、ゴーストが10290円、システムワークスが14490円、システムワークス プレミアが18690円である。

鈴木 孝知=日経コンピュータ

ノートン・アンチスパム 2005のフィッシング対策機能の設定画面
ノートン・アンチスパム 2005のフィッシング対策機能の設定画面