トレンドマイクロは9月9日、個人ユーザーおよび小規模事業者向けのウイルス対策ソフトの新版「ウイルスバスター2005 インターネット セキュリティ」の販売開始を発表した。既存製品のユーザーのアップデート版は10月12日に配布し、新規ユーザー向けの製品は10月22日に出荷を始める。主な改良点は、複数台のパソコンを使うユーザー向けの機能と個人情報漏えい防止機能を強化したことである。

 複数台のパソコンを使っているユーザー向けの改良点としては、無線LANを含むLAN上に勝手に接続されているコンピュータや通信機器を検出できる機能の追加などがある。この機能を利用することで、悪意のあるユーザーがLANに侵入して、不正行為をするために家庭や企業のインターネットを利用したり、家庭や企業内のパソコンに悪さをするといった行為が防げる。

 LAN上にあるウイルスバスター2005をインストールした複数台のパソコンのセキュリティ管理を一元的に実施できる機能も加えた。他のパソコンに対して、更新ファイルの自動アップデートといったセキュリティ関連の設定をリモートから行える。大三川彰彦執行役員日本代表は、「家庭のパソコン・ユーザーのうち6割が複数台のパソコンを使っているので、新機能を喜んでもらえるだろう」と語る。

 個人情報漏えい防止にかかわる新機能には、まずスパイウエアの検出・駆除が挙げられる。旧版では検出しかできなかった。次に、事前に設定した個人情報を送信したことをログに取り、そのログを最大60日間保存できる機能を加えた。万が一、個人情報が漏れた場合に事後対策ができるようにするためだ。今年中には、個人情報を盗み出すフィッシング詐欺と疑われるメールの場合はユーザーに注意を促す機能を加える予定である。

 動作OSはWindows98/Me/2000/XP。9月2日に正式リリースされたWindowsXP SP2でも動作する。価格はパッケージ販売製品が8925円から、ダウンロード販売製品が5250円から。アップデートは原則無料だが、ウイルスバスターを使っていてライセンス期間を延長するユーザー向けのパッケージ販売製品は4179円。

鈴木 孝知=日経コンピュータ