「ESB(エンタープライズ・システム・バス)製品における先行者利益は当社がいただく。アプリケーション・サーバー市場が立ち上がったときの米BEAシステムズと同じように」。ESB製品「Sonic ESB」などの開発・販売を手がける米ソニック ソフトウェアのゴードン・バン ハウゼンCTO(最高技術責任者)はこう宣言する。バン ハウンゼンCTOは同社に勤める以前、BEAシステムズに在籍していた。

 ESBは複数のアプリケーションを統合するためのミドルウエア。情報システムが提供する機能を「サービス」とみなすSOA(サービス指向アーキテクチャ)を実現する技術として注目を集めている。ESBはWebサービスやJavaといった標準技術に基づいて、複数のサービスを連携させる。

 米国では、今年に入って大手ベンダー各社からESB製品の発表が相次いでいる。「米IBMは1年以内にESB製品を出荷する準備をしているようだし、BEAシステムズはQuickSilver(開発コード名)というESB製品の開発に着手した」(バン ハウゼンCTO)。

 これらの競合企業に対してバン ハウゼンCTOは強気な姿勢を隠さない。「他社はこれからファースト・バージョンが出るところだが、我々はすでに、確実にアプリケーション間でメッセージをやり取りするためのフォールト・トレラント機能を実現している」と話す。

 ベンダー各社が相次いでESB製品を投入する理由は、米国のユーザー企業にSOAの重要性が浸透しつつあるため。「通信、金融、小売業の大企業が、SOAを真剣に検討し始めた」(バン ハウンゼンCTO)。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ