「企業において、情報やコンテンツを適切なタイミングで廃棄できることが求められるようになっている」。こう語るのはコンテンツ管理ソフトを開発・販売する米ステレント プロダクト・マーケティング部門バイス・プレジデントのデイビッド・メイシー氏(写真)である。
 
 メイシー氏は、「これまで企業はどれだけの情報を生成できるかを競ってきた。今は情報の廃棄をいかに管理するかということにフォーカスが当たるようになっている。コンテンツ管理ソフトに求められる機能も変わった」と語る。

 内部の人間による情報漏洩や不正会計などの不祥事が増えてきたことがこの流れを生み出した。データを保管しておくだけでなく、どのタイミングでどういう種類のファイルを廃棄するかというコンテンツ管理や、誰がいつ廃棄したかという履歴管理が必要になる。メイシー氏は、「ステレントの製品を使えばシステム上のデータだけでなく、倉庫に保管された紙文書までも管理対象に加えられる」と言う。

 ステレントは、コンプライアンス(法令順守)を実現するためのソフトやサービスを強化している。新たに、米国の企業改革法やHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)など個別の法令向けに情報管理ソフトを用意。電子メールや財務資料などを個々に法規制に基づいて管理できるようにした。これらを、同社のコンテンツ管理ソフトや履歴管理ソフト、業務フロー管理ソフトなどと組み合わせ、コンプライアンスに関するシステムを一括してユーザー企業に提供する。

 メイシー氏は、「コンテンツ管理ソフトの機能自体は成熟している。個々の業務や法令に適したアプリケーションを提供したり、統合サービスとして提供することで他社との差別化を図る」と語った。

鈴木 孝知=日経コンピュータ