携帯電話向けソフト開発会社のフラクタリストは9月1日、コンテンツ・プロバイダやサイト運営者向けの製品群「モバイルマスター」を発売した。まず、画像変換ソフトとサイト管理ソフトの2製品を発売。年末にかけて、電子商取引(EC)用のソフトなどを順次追加する。

 画像変換ソフト「Image Dispenser for K-tai(IDK)」は、一つの画像から、携帯電話事業者や機種ごとに異なる形式やサイズの画像を生成するソフト(写真)。約300種類の携帯電話機の仕様データを基に、それぞれに最適化した画像を一括生成する。複数の画像を一括変換してサーバーに保存する方式をとるため、ユーザーがアクセスするたびに画像を自動変換する方式の製品と異なり、サーバーの応答速度の低下を招く危険性が低い。

 特徴の一つは、ソフトが自動的に画像をトリミングする際に人物などの被写体を誤って切り取らないようにあらかじめ指定できる点。また、画像技術開発のセラーテムテクノロジーによる独自形式「Pixel Live」を中間フォーマットとして使うことで、画像を縮小する際の画質低下を最小限に抑えた。Pixel Liveは、元画像のビットマップ・データから輪郭や色を抽出し、ベクトル・データにしたもの。IDKはPixel Live形式で画像を縮小し、最後にJPGやPNGなど一般的な画像形式に書き出して保存する。

 サイト管理ソフトの「Content Manager for K-tai(CMK)」は、携帯電話向けWebサイトの更新や会員管理を省力化する仕組みを備える。例えば、登録前のコンテンツを動作検証したり、スケジュールを設定してコンテンツを自動更新できる。公式サイトを持つ企業の場合は、各携帯電話事業者の会員管理サーバーに接続し、入退会するユーザー数を取得し日ごとに一覧表示できる。

 いずれも価格は252万円(税込み)から。初期導入費用を抑えた月額ライセンス制度も用意する。iモード、EZweb、Vodafone Live!に対応している。フラクタリストは、携帯電話向けソフト開発ベンチャーのさきがけとなった電脳隊の創業者である田中祐介氏が、同社を退社後、2000年6月に設立した企業。

本間 純=日経コンピュータ