マイクロソフトは、9月2日の午前0時から、Windows XP Service Pack 2(SP2)の配布を開始する。SP2を導入すると、ほとんどのクライアント管理ソフトの動作に重大な支障が出るほか、一部のウイルス対策ソフトやパソコン製品にも影響を与える可能性がある。企業のシステム管理者は社内のユーザーに対し、業務に必要なソフト/ハードの動作検証が終わるまで、SP2を導入しないように緊急告知することが望ましい。

 当初の配布経路は、マイクロソフトのWebサイト「ダウンロードセンター」と、Windows Update機能を使った手動更新である。マイクロソフトは動作検証を必要とする企業に配慮して、自動更新の開始日を9月29日に設定した。また、Windows XPに備わる自動更新機能を一時的に停止するツールを、2日午前0時からダウンロードセンターで配布開始する。

 ただしこのツールは、社内のユーザーがWindows Updateを使いSP2を手動で導入するのを止めることはできない。SP2導入後は、多くのクライアント管理ソフトで状況監視やファイル配信が不可能になるため、一部のソフト・ベンダーがSP2用に提供を開始したパッチや自動設定ツールの配信にも支障が出る。社員が個別にSP2を導入してしまった場合、企業ユーザーは既存のソフトを再び利用可能にするために、「Windowsファイアウォール」などの機能を手動で再設定する作業に追われることになりそうだ。

 SP2と一部の製品との互換性情報は、マイクロソフトのWebサイトから確認できる。また、SP2のCD-ROMは全国2万5000カ所の郵便局とパソコン・ショップ、雑誌などを通じ10月1日以降配布される。SP2搭載パソコンも10月以降に順次発売される見込みである。

本間 純=日経コンピュータ

【お詫びと訂正】 本文3段目「ただしこのツールは、社内のユーザーがWindows Updateを使いSP2を手動で導入するのを止めることはできない」とありますが、この内容は誤りです。このツールは、社内のユーザーがWindows Updateを使ってSP2を手動で導入するのを止めることもできます。お詫びして訂正いたします。