国内のICカード市場は2010年度に3億4000万枚規模に--。矢野経済研究所は、国内のICカード市場に関する調査結果(2004年度版 ICカード市場白書)をまとめた。今年5月~7月、ICカードやICリーダー/ライターのベンダー、システム・インテグレータ、ICカードを利用したビジネスを展開する企業など、42組織を対象に、実績と予測を聞き取った。

 これによると、2003年度の市場規模は5118万枚で、前年度比46.9%と大幅な伸びを見せた。2004年度は6870万枚(前年度比34.2%増)となる見込みで、さらに2006年頃に1億枚を突破し、2010年度には3億4000万枚に達すると予測している。

 利用分野では、クレジットカードやキャッシュカードといった金融分野での成長が大きく、2003年度では58.6%(約3000万枚)を占めた。今後もさらに伸びが見込まれ、矢野経済研は、2010年度には市場全体の58.8%、約2億枚に達すると見ている。このほか、鉄道やバス、ETC(自動料金収受システム)などの交通・運輸分野、住民基本台帳カードや運転免許証などの行政分野での伸びも見込まれる。例えば2010年度の予想市場規模は、交通・運輸が約4000万枚(市場全体の11.8%)、行政分野が約4300万枚(同12.6%)としている。

河井 保博=日経コンピュータ